商標を取得したいけど、
という方のために、商標出願から登録査定(登録完了)までを私が実際に体験し、必要な作業内容をブログで全て公開しようと思います。
正直、お金が無いわけではないので、面倒な作業は特許事務所に丸投げしちゃってもイイんですが(代行費用は1区分2万円程度が相場)
ということで手探り状態ではありますが、少しずつ作業を進めて、そこで経験した内容を少しずつアップしていきます。
商標権の取得については、私もほとんど知識が無いため、全てを1から調べて作業を進めています。そのため、記事の内容で多少間違っている個所があるかもしれませんので、その点はご了承ください。この記事を参考に商標出願をして不利益があったとしても、責任は一切取れませんのでご注意ください。
ロゴ商標と文字商標はどちらを選べば良いか?
今回は『Amazonへブランド登録をすること』が、商標を取得する目的です。
2020年2月現在、Amazonのブランド登録資格をクリアするためには
- 『文字商標』⇒ 文字だけで構成される商標
- 『ロゴ商標』⇒ 文字と記号・図形が結合した商標
どちらかを取得する必要があります。※文字商標だけが有効とされていた時期もありましたが、今はどちらでもOK。
今回は『文字商標』で申請を行っていきます。
商標の区分について理解しよう
区分とは、登録する商品・サービスのカテゴリのコトです。第1類~第45類まであり、登録する区分の数によって登録費用が変わってきます。
今回はアパレル商品用に商標を登録するので、
- 第18類(財布・巾着袋・かばん・皮革など)
- 第25類(服・履物・ぼうしなど)
アパレル商品をほぼカバーできる、18類と25類の2つを申請することにしました。
商標登録はどれくらいの費用がかかる?
商標登録の出願にかかる費用は『商標出願費用と商標登録費用』の2つ。
- 商標出願費用 ⇒ 出願する際に支払う
- 商標登録費用 ⇒ 登録査定(登録OK)が出た後、商標登録をするために支払う費用
例えるなら『受験費用と入学費用』と考えていただければOK。どちらも現金ではなく、金額分の特許印紙を用意する必要があります。※『収入印紙ではない』ので注意!!
商標出願費用
出願費用は『3,400円+(区分数×8,600円)』で計算します。
今回は18類と25類の2区分を出願するので
『3,400円+(2×8,600円)=20,600円』の出願費用がかかります。
出願区分数 | 印紙代 |
1区分 | 12,000円 |
2区分 | 20,600円 |
3区分 | 29,200円 |
4区分 | 37,800円 |
商標登録費用
登録査定(登録OK)が出た後は、商標登録費用を支払うことで登録が完了となります。
出願区分数 | 印紙代(5年分) | 印紙代(10年分) |
1区分 | 16,400円 | 28,200円 |
2区分 | 32,800円 | 56,400円 |
3区分 | 49,200円 | 84,600円 |
4区分 | 65,600円 | 112,800円 |
商標権の存続期間は10年です。10年分をまとめて支払っても良いですし、少しでも費用を抑えたい方は5年分ごとの分割納付でもOK。ただ、分割納付にするとトータル費用が割高になります。
分割納付の場合、5年が経過した後、追加の5年分の費用を支払わない場合は、商標権が失効するので注意してください。
商標権の審査にかかる期間はどれくらい?
2020年2月現在、これから商標権を出願した場合、登録査定まで『約1年』ほど時間がかかります。※特許庁のお姉さんからの情報。
ただし、一定の条件をクリアしている場合『早期審査』が適用され『約3か月』で登録査定が出るケースもあるとのこと※特許庁のお姉さんからの情報。
※商標早期審査・早期審理ガイドラインより引用
対象1は『緊急性を要する出願』なので今回は対象外。
『出願商標を既に使用している(Amazonで既に販売している)』にはマッチしているので、対象2or対象3の条件で、早期審査をお願いしてみようと思います。
申請書類提出までの作業の流れ
書類作成前の事前準備
取得したい商標が、すでに登録されていないかチェック
まず確認すべきは、あなたが登録を希望する商標が、既に登録されていないか?コレを調べる必要があります。
なぜかというと、すでに登録済みの商標と同じ、または似た内容で出願しても、それが審査を通過する可能性は限りなく低いからです。
商標の出願数ってかなり多くて、1年間で『なんと約10万件!』近い商標が新たに登録されているそうです。私も実際に調査してみましたが
という言葉が、結構な確率で商標登録されていて驚きました。出願費用をドブに捨てないためにも、事前にしっかりとリサーチをしておいた方が良いでしょう。
商標の調査は、特許庁が提供する『J-PlatPat』というサイトで簡単に行うことができます。⇒ J-PlatPat
①『商標』にチェックを入れ、②調査したい文字を入力し、③検索ボタンをクリック。
↓このように、既に登録済みの商標はNG。他の文字で検索しましょう。
『商標0』と表示されるのが理想。今回申請する文字(ブランド名)も商標0だったので大丈夫!(なはず・・笑)
対象商品を既に販売済みであることを確認する
早期審査を利用するには『出願商標を既に使用している(Amazonで既に販売している)』という条件が付いてきます。
つまり、まだ販売していない商品に対する商標を出願しても早期審査の対象にはならない可能性が高いということ。
ダミー出品・・・でもできないことは無いでしょうが、まずは商品をしっかり販売してから早期審査を依頼する方が良いでしょう。
登録する商標区分を決めよう
商標の区分は45種類に分かれています。あなたが扱う商品がどの区分に当てはまるのかを調べて、登録する商標区分を決めましょう。
商標の区分については、コチラのサイトが参考になります。
⇒ https://cotobox.com/primer/trademark-class/
書類を作成しよう
出願に必要な書類をダウンロードしよう
登録する商標区分が決まったら、出願に必要な書類を用意します。書類は『独立行政法人 工業所有権情報・研修館』のホームページからダウンロードできます。
沢山ある申請書類のうち、
- 商標(標準文字)
- 早期審査に関する事情説明書(商標)
↑この2つの『Word版』をダウンロードしてください。
申請書類の記載方法
書類に必要事項を記載しましょう。文書で説明すると長くなるので、私が作成した書類を添付しておきます。ご自由にお使いください。※この書類で早期申請が適用される保証はありませんので、ご利用される方は自己責任でお願いします。
次の『申請書類を添削してもらう』に書いてある通り、特許庁の担当者さんに添削・指摘いただいた内容が全て反映されています。
・黒丸部分をあなたのの環境に合わせて修正
・区分をあなたが申請したい分類に修正
・早期申請書類の『使用の事実を示す商品カタログ』をあなたの商品に差し替え
・印鑑証明書のスキャンデータを張り付け
・Amazonの特商法の画像キャプチャを張り付け
↑ここを修正していただければ、そのまま活用できるかと思います。
注意点として、この書類は『初めて商標を取得する方用』『法人が提出する用』に作成しています。過去に商標を取得したことがある方・個人事業主の方は記載方法が若干異なるようなので、特許庁の担当者さんに確認して書類を作成してください。
申請書類を添削してもらう
申請書類の記載が完了したら、特許庁に連絡をして内容に問題が無いか確認してもらいましょう。
特許庁:03-3581-1101
なんとう神対応… お言葉に甘えて早速FAXを送らせていただきました。
今の時代、自宅にFAXがある方なんてそうそういないと思うので、
- USBメモリにWordデータを保存してコンビニから送る
- インターネットFAXサービスを利用して、パソコンから送る
どちらかの方法で対応すればOK。私は2の方法で送りました。FAX送付後、1時間ほどで電話がかかってくるので、指摘された箇所を修正すればOKです。
特許印紙を用意する(集配郵便局で購入)
書類の記載が終わったら、商標の出願費用として貼り付ける特許印紙を用意しましょう。※収入印紙はNGなので要注意!
必要な印紙の額は申請する区分数によってきめられています。
出願費用の計算式は『3,400円+(区分数×8,600円)』
今回は18類と25類の2区分を出願するので
『3,400円+(2×8,600円)=20,600円』の出願費用がかかります。
出願区分数 | 印紙代 |
1区分 | 12,000円 |
2区分 | 20,600円 |
3区分 | 29,200円 |
4区分 | 37,800円 |
特許印紙を購入できる場所は次の3か所。
- 郵便局(集配郵便局のみ)
- 特許庁
- 発明推進協会
よく分からない3は無視してOK。
関東近郊にお住まいの方で特許庁に直接書類を提出する方は、特許庁内で購入しましょう。※提出窓口で書類の最終チェックをしてくれるようなので、不安な方は直接提出するのもアリです。
書類を郵送で送る方は、自宅近くにある集配郵便局で購入することができます。※小さな目の郵便局では取り扱っていません。
地方の郵便局の場合、特許印紙を購入する人なんて、おそらく年に一人いるかいないかレベルなので、窓口で『特許印紙が欲しいんですけど・・』とお願いすると、在庫が無い or 在庫確認で結構な時間待たされます。
二度手間になると面倒なので、事前に郵便局に電話で確認してから購入しに行った方が良いですね。
今回は2区分で申請をするので、20,600円分の特許印紙を購入してきました。
簡易書留で書類を送付する
申請書類の準備が全て完了したら、特許庁長官宛てに書類を送付しましょう。
〒100-8915
東京都千代田区霞が関3丁目4番3号
特許庁 長官殿
商標登録願 在中
※裏面に自分の名前と住所を記載
特許庁 長官殿の横に赤文字で『商標登録願 在中』と書いておくと、担当部署にスムーズに書類が届くようなので、忘れずに記載しましょう。
書類送付時の注意点として、必ず『簡易書留で!』書類を送付してください。
特許印紙は結構高額ですし、特許庁のお姉さんからも
と言われたので、素直に簡易書留で送るようにしましょう。
簡易書留は専用の封筒など必要なく、普通の封筒の書類を入れて郵便局へ持参し『簡易書留でお願いします』と伝えるだけでOKです。
電子化の費用を払う
書類を送付してから2週間ほどすると、特許庁から封書が届きます。
提出した書類を電子化するための『電子化手数料』を支払う必要があるようです。支払わないと商標手続きが進まないので、後回しにするのは厳禁。
費用は『基本料金1200円+1枚につき700円=1900円』です。同封されている払込票を使って『郵便局 or 金融機関の窓口で!』支払ってください。※コンビニでは支払いができません。
商標登録査定が届く(商標登録料の支払い)
商標申請の書類を送付してから約2か月後、
特許庁からの封筒
中には『登録査定の通知書』が。
『登録査定』という言葉が分かりにくいんですが、要は『あなたが申請した商標が無事に登録されましたよ』という連絡通知ですね。想像していたよりもかなり早く査定が下りました。
実際にはこの後『商標登録料の納付』が完了し、自宅に商標登録証が届いて正式に登録完了となります。
登録料は『商標登録納付書』を使って支払う必要がありますが、自宅に届いた封筒の中には納付書は入っていません。
納付書は、特許庁のHPから納付書のひな型(Wordファイル)をDLし、それに必要事項を記入して特許印紙を貼り、特許庁長官宛てに送付する。という手続きが必要となります。
特許庁HPへ進み、
赤枠部分のWordファイルをDLし、必要事項を記入してください。※登録査定通知に同封されている記載例が参考になります。
必要事項を記入したら、商標登録料分の特許印紙を貼り付けます。
商標登録費用
出願区分数 | 印紙代(5年分) | 印紙代(10年分) |
1区分 | 16,400円 | 28,200円 |
2区分 | 32,800円 | 56,400円 |
3区分 | 49,200円 | 84,600円 |
4区分 | 65,600円 | 112,800円 |
商標権の存続期間は10年です。10年分をまとめて支払っても良いですし、5年ごとの分割支払いでもOK。今回は2区分を10年分支払うので、56,400円分の特許印紙を郵便局で購入してきました。
納付書へ必要事項の記入&特許印紙の貼り付けが完了したら、特許庁へ簡易書留で送付しましょう。
〒100-8915
東京都千代田区霞が関3丁目4番3号
特許庁 長官殿
商標登録料納付書 在中
※裏面に自分の名前と住所を記載
納付完了後に商標権の設定を行い、約2週間で商標登録証が自宅に届くとのことです。
商標登録料の納付は、査定通知が自宅に届いてから30日以内に行う必要があります。特別な申請をすれば納付期限を30日延長することもできますが、先延ばしにしても良いことは何もないので、早めに支払っておきましょう。30日を過ぎると出願却下処分(権利失効)となるので注意してください。
コメント
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よくわかりました。ありがとうございます。